マルチメータ
マルチメータ(Multimeter、またはテスター)は、電圧、電流、抵抗など、いくつかの測定機能を集めた計測機器です。
マルチメータは、アナログ(Analog)マルチメータと、デジタル(Digital)マルチメータに分類します。アナログマルチメータは、針が動いて、目盛りを指します。アナログ方式は、以前に多く使用されたが、今ではほとんど使用されません。現在使用されているほとんどのマルチメータは、デジタル方式です。
マルチメータの接続端子
端子は、測定のために、リード線を接続するところです。リード線の赤は(+)極、黒は( - )極を表します。
- COM:共通接地(ground)端子を意味します。黒リード線を接続します。
- 10A:0〜10Aの範囲の電流を測定するときに使用します。赤リード線を接続します。
- V•Ω:電圧と抵抗を測定するとき、使用します。赤リード線を接続します。
- VΩmA:電圧、抵抗、ミリアンペア(mA)単位の電流まで測定することができます。赤リード線を接続します。
抵抗の測定
ロータリースイッチを「Ω」エリアに回しておけば抵抗を測定することができます。リード線を抵抗の足に当てると抵抗値が測定されます。
抵抗を測定するとき、範囲に注意します。例えば、小さな値の抵抗を大きな範囲で測定すると、測定結果は「0」になってしまいます。逆に、マルチメータの測定範囲を超えている場合には、無限大(左隅に「1」)が表示されます。したがって、予想される抵抗値よりも少し大きい範囲を選択するお勧めします。例えば、10Ωの抵抗を測定するとしたときに、ロータリースイッチは、200に置くことが適当です。
電圧の測定
直流電圧(DCV)と交流電圧(ACV)は、測定機構が異なるため、ロータリースイッチの選択に注意します。
- ACV : 交流電圧の測定
- DCV : 直流電圧の測定
- 20 : 0〜20Vの直流電圧を測定
- V- : 直流電圧の測定
- V~ : 交流電圧の測定
直流電流の測定
電流は電圧と他の物理量として、時間あたりの導線に流れる電荷量を指します。したがって、電流を測定するには、測定しようとする導線を電気的に切断します。切断された部分に流れる電荷量をアンペア(A)単位で測定します。(導線を切断することなく測定する機器があっますが、ここでは省略)
直流電流を測定するとき、注意点が一つあります。電流測定中にマルチメータの内部抵抗はほぼ「0」になります。これは、マルチメータが電流の流れに妨害をしてはならないからです。このとき、バッテリなどの電圧を測定すると、過電流が流れて、マルチメータが破損する恐れがあります。一部のハイエンドマルチメータは、保護回路を備えています。
トランジスタのhFE測定
トランジスタのhFEは、ベース(B)の電流を基準にしたコレクタ(C)電流の倍率です。ベース電流を「1」としたときにコレクタ電流が数倍増幅されるかを示します。hFEは「電流増幅率」とも呼ばれます。トランジスタの三端子を合わせて挟んだ場合、約50〜200の間の数字が表示されます。値は、トランジスタごとに少しずつ異なります。
導通テスト
単に導線がつながっているかどうかを確認する機能です。導線の中間が切れていない場合、「ピー〜」音が出力されます。