地球の放射平衡




 

放射

ストーブの近くには、遠くの場所よりも暖かく感じられます。これは、物質の移動なしにストーブの熱が直接に伝達されるからです。このように熱が物質の助けを借りずに直接に伝達される現象を「放射」と呼ばれます。
赤外線治療器を使用したり、太陽光調理器具で調理をするときも、熱エネルギーは、放射によって伝達されます。

また、太陽と地球の間には、物質がほとんどないが、熱が地球に送信されることから、放射によって熱が伝達されることを知ることができます。

地球の放射平衡

地球が太陽から受けた放射エネルギーと同じ量の放射エネルギーを外部に放出すると、地球の温度が一定に保たれます。これを、地球の放射平衡といいます。

温室効果、地球温暖化

温度を持っているすべての物体は、光(電磁波波動)の形で放射エネルギーを放出します。温度が高くなるほど放射エネルギーの波長が短くなって、温度が低くなるほど波長が長くなります。
太陽は、表面温度が約6000Kであり、可視光線を主に放出します。地球の表面温度は、私たちが知っているように、太陽に比べて低いです。地球が放出する光は、主に赤外線領域です。

地球が送受信する放射エネルギーの波長が異なるため、平衡が割れるおそれがあります。たとえば、人類の産業活動に沿って、二酸化炭素やメタンのガスなどが大気中に多く放出されると、地球が放出する赤外線が遮断されてしまいます。地球に入ってくる放射エネルギーの量に比較して、外部に放出される放射エネルギーの量が少ないため、全体的に地球の温度が上がります。

これらの温室効果のせいで、地球の平均気温が上がります。これが「地球温暖化」です。
地球温暖化は、気候変動、激しい干ばつや洪水、農作物の被害、病虫害などを誘発し、人類が解決すべき課題となっています。