電子軌道
物質を構成する原子は、中心に(+)電荷を帯びる原子核があり、その周囲に( – )電荷を帯びる電子があります。
原子を構成する電子は、特定のルール(波動関数)に沿って配置されるが、これを「電子軌道」といいます。
原子の中で電子は「殻(かく、層)」をなし、それぞれの殻(かく)は、様々な種類の電子軌道で構成されています。
電子軌道の種類
原子の中のそれぞれの殻に含まれている電子軌道の種類は互いに異なります。
例えばこうです。
- 最も内側の殻(n=1)には、s電子軌道のみです。
- 第二の殻(n=2)には、s電子軌道とp電子軌道があります。
- 第三の殻(n=3)には、s、p、d電子軌道があります。
- 第四の殻(n>=4)から、s、p、d、f電子軌道があります。
各電子軌道に入ることができる電子の数が決まっています。
- s電子軌道には、電子2個入ることができます。
- p電子軌道には、電子6個入ることができます。
- d電子軌道には、電子10個入ることができます。
- f電子軌道には、電子14個入ることができます。
それぞれの電子軌道は、電気的な位置エネルギーが少しずつ異なります。
s < p < d < f
s電子軌道はエネルギーが最も低く、電子が最も安定していることがあります。
もし、同じの殻のs電子軌道とp電子軌道がすべて空の場合は、電子は優先的にs電子軌道を先に満たそうとします。
電子が満たされるルール
安定した状態の原子は、電子が最も内側の殻から取り込まれます。
同じの殻では、s、p、d、f順に電子が取り込まれます。
つまり、s→p→d→f順に行きながら、エネルギーが高くなり、不安度が上がります。
殻の数が3を超えると、エネルギーの境界が不明確になります。
たとえば、3dに比べ4sは、エネルギーがより低くなります。したがって、3dに電子が満たされる前に、4sに電子が先に満たされます。
同様に、4dに電子が満たされる前に、5sが先に満たされます。
加えて、電子はなるべくペア(偶数)でありたいと,性質があります。
また、電子が上位電子軌道を、まずいっぱい満たしつつ,安定となる場合もあります。この場合、電子が上位電子軌道をまず満たされてしまう例外が起こります。
* 上記の仮想実験で示されている電子配置は、ウィキペディアのデータを参照しました。