振り子のエネルギーはどこに行ったか?(熱力学第2法則と不可逆現象)




 

振り子のエネルギーはどこに行ったか?

空気中で振動する振り子は振動する過程で空気分子と衝突を繰り返します。空気分子は振り子からエネルギーを得て速度が大きくなります。逆に、振り子はエネルギーがますます小さくなります。
最後に、振り子が持っていた力学的エネルギーは、空気分子に熱エネルギーに変換されます。

振り子の力学的エネルギー → 空気分子の熱エネルギー

非可逆現象

真空中で運動する素粒子のように元の状態に戻ってくることができる現象を「可逆現象」といいます。
しかし、ほとんどの自然現象は、ただ一方向のみに起こる「非可逆現象」です。

もし、振り子が空気分子の熱エネルギーを利用して自分で動かすことができますか?
多くの空気分子が一方向に振り子の衝突すれば振り子は自分で動くことができます。しかし、空気分子は、それぞれ無秩序な動きをするので、このようなことは起こりません。(可能性がほとんど「0」と言います。)
このように、ほとんどの自然現象は、一方向にのみ起こる不可逆現象です。